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成長実感が社員を定着させる

転職の理由・きっかけに関するアンケート結果

  優秀な社員ほど、成長を求める
←出所:エン・ジャパン「ミドルの転職」サイト利用者アンケート

左図は、エン・ジャパンが35歳以上のサイト利用者に実施した「転職の理由・きっかけ」に関するアンケート結果です。

年収1000万円未満の方々の転職の理由・きっかけは、
・第一位「給与に不満がある(37%)」
・第二位「会社の将来に不安がある(36%)」
・第三位「会社の考え・風土が合わない(35%)」
となったのに対して、
年収1000万円以上の方々の転職の理由・きっかけは、
・第一位「キャリアアップのため(37%)」
・第二位「自分の能力を試したい(33%)」
・第三位「仕事の幅を広げたい(32%)」
という点は、非常に興味深い調査結果です。

これは、年収1000万円以上を稼ぐことができる優秀層は、より高い成長や挑戦できる環境、仕事のやりがいを求めている人が多いということでしょうし、裏を返すと、今の職場(現職)では成長実感が得にくい、やりがいを感じにくいと、物足りなさを感じている証拠かと思います。

 

スキルと挑戦のバランスが重要

アメリカの心理学者ミハイ・チクセントミハイが提唱する「フロー理論」では、スキルレベルと挑戦レベルが高い次元でバランスしたフロー状態においては、人は時間の感覚を忘れ、高いアウトプットを生み出すことができると言われています。誰しも「フロー状態」というものをこれまで味わったことがあると思いますので、なんとなく言っていることは理解できるのではないでしょうか。

この理論で注目したい点は、挑戦とスキルの二つの観点が高い次元でバランスしないといけないということ。このバランス状態からずれる(フロー状態から逸脱してしまう)と、退屈や無気力な状態に陥ってしまったり、逆に不安を感じてしまったりするという点です。
そして、この二つの関係性は常に変化をするという点に、大いに注目すべきです。

飽きや慣れという言葉でも表されるでしょうが、最初は難易度の高い仕事へ挑戦したとしても、試行錯誤してなんとか結果を出しやり切った後には、飽きや慣れを感じ始め、さらに難易度の高い仕事を求めるということです。
同じ仕事を何年も何十年もこなす中で、このフロー状態を通り過ぎて退屈で無気力な状態に陥ってしまい、ここのタイミングで転職を考える方が多いということだと思います。

となると、優秀な方になればなるほど、この退屈で無気力な状態を嫌う傾向が強い訳ですから、常に新しい挑戦・難易度の高い仕事を提示し続けることが、会社にとっては必要なこととなります。これができないのであれば、優秀な社員の流出を引き起こしてしまいますし、さらに言えば、外部から優秀な人材を採用することも難しくなってしまうかもしれません。

 
夕焼け